シギリージャの歌い方

フラメンコの歌は難しい。

スペイン語だし。リズムは変わってるし。音も取りづらいし。

中でも、難しいなあと思うのがシギリージャです。

シギリージャ siguiriya seguiriya

歌詞は短く、2~3行詩の繰り返しがほとんど。

それを、たっぷり時間をかけて、情緒深く歌いあげます。

リズムは 7/8拍子+5/8拍子 (8分音符が7個と5個。全部で12個 でいいのかな)で1コンパス

ソレアのように、12からコンパスを数えるのではなく

1● 2● 3●● 4●● 5● (数字の頭が アクセント)

と、数えます。

踊りを覚えるときなんかは、12からに当てはめたりもしますが、他の方と共通理解ではないので、

練習の時だけ、心の中で使います。

さておき、このリズムで歌うわけですが、まずは歌を覚える、練習できるようにせねばなりません。

今では、CDや動画で歌も歌詞も検索できますが

歌い手さんの歌、特にカンテソロで歌っているものは、リズムが揺れているので

それを踊り伴奏に使うようにするのには、どこが1なのか、5なのか しっかりとコンパスにはめてクリアにしないといけません。(パルマも打たねば!)

アクセントはどこも大切ですが、意外と(?)重要なのが、3と5 

歌詞の行の頭がここに来るときは、「ねらって撃つ」、みたいな感じです。

動画は https://tomaflamenco.com/ フラメンコの実践的なことが学べるtomaflamenco

彼女が歌っているのは、カンテソロです。(サリーダ レトラ(上の句と下の句)、マチョ)なので、パルマは入れられません。これをコンパスにはめるのに、ものすごく参考になるのが、ギターの伴奏です。

ギターは、それぞれのアクセント1 2 3 4 5 でコードを弾いています。4と5が同じ(と思う)なので、ギターさんの手が大きく動くところがアクセントです。

なんだかんだで、コンパスに当てはめられたとして(頑張って!!)

次は歌い方です。

短い行の歌詞の繰り返しですから、変化を持たせないといけません。

そしてそれは、きちんとシギリージャに則って、さらには、歌詞の意味を深めての変化でないと。

下の動画で、丁寧に説明をしています。

彼女が言っているのは、呼吸の使い方、音量の調節についてです。

短く切る 引っ込める しがみつく 開放する どこでそれらをするか。

歌に同じ単語がたくさん出てきますが、それぞれの音の表情、発し方が異なります。

Ay…

Yo no tengo la puerta donde llamar(上の句)

Yo no tenia na(da) más que la tuya (下の句)

la encuentro cerrá(da)

Yo no tengo la puerta donde yo llamar

上の句が終わると、レマーテになります。踊りの人は上の句が歌い終わるギリギリのところから(アクセントだと、4から5にかけて)、早いテンポにしていかないとなので

歌は、上の句の最後から2つめの単語の終わりから、最後の単語にかけて、

気合をいれて、歌い終わりです!と、わかりやすく踊りにバトンを渡す必要があります。

そして、行の間、空間 には 人生や、感情が詰まっている。(と、彼女は言っていると思う)

シギリージャ。とても難しいですが、

沈黙 空白 余韻

そんなところにも想いを込められるような歌い方ができたらなと思います。

初めてのライブペインティングとのコラボレーションフラメンコライブ。

あやめちゃんの描く姿を見た時、バストンのシギリージャが浮かび上がりました。

永田健さんが、シギリージャを踊ります。

ギターはパコさんこと、細川晶生さん。歌は私です。

シギリージャが鳴り響く横で、飯泉あやめさんが巨大なカンバスに絵を描きます。どんな絵になるのかな。楽しみです。

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