ずいぶんと久しぶりに、一人で映画を観ました。
「ぼくのお日さま」

吃音(きつおん)の症状で、話しはじめが詰まってしまう男の子と
大人社会の扉の前でこころが揺れる女の子と
かつて、子どもだった大人の
初雪から、雪解けまでの、恋の、お話。
すべてが丁寧で、見過ごしてしまったら溶けてなくなってしまうほどの繊細さで
ゆったり観られるかとおもいきや、緊張感がずっとありました。
吃音については、さほど問題としては出てきません。
そう。問題ではなく、大事なテーマでした。
もちろん、吃音がゆえに、な場面もありますが
その男の子が特に気にしていない様子がとても印象的でした。
それは、お父さんも同じような話し方であることも関係あるのかもしれません。
(それと、天使みたいな友達がいるからも、きっとある)
この少年は、「吃音のある、アイスホッケーの苦手な少年」
苦手なのはアイスホッケーで
話をすることではありません。
でも、この映画の大切なテーマ(だと思う)は、やはりことばであって
伝えたい思いを、ようやく伝えたときに、相手がそこにいない。
けれども、少年は、ちゃんと伝えるのです。
たとえ、もうそこに相手がいなくても。
きっと伝わる。伝わっていく。
だって、ことばが、伝えてくれる。
何かに乗って、その人のところに。
雪が当たり前のように降る町で
初雪にあんなにも心が動く。
とても素敵な映画です。
まだ各地で上映されるようです。
エンディングロールまでが、この映画ですので
ぜひぜひ最後まで、ご覧くださいね。
映画が始まる前に流れた劇場マナーのお願い。