ファンダンゴ デ ウェルバ|Fandango de Huelva

fandangos de Huelva  ファンダンゴ デ ウェルバ

踊りでも歌でも、セビジャーナスの次に習うことが多い、このファンダンゴ。

でもカンテでファンダンゴといったら、とても広く、そして深い。たーくさんの種類があるのです。そのところは、まだまだ勉強中ですが、踊りと言ったら、このファンダンゴ デ ウェルバです。スペインのポルトガルとの国境近く、ウェルバ県の歌。

ウェルバの土地賛歌、ビバ ウェルバ な歌が多いと言われていますが、恋や人生を歌った美しいものもたくさんあります。そして何より、訳が難しい。単語を日本語にしても、「で、なにが言いたいんだ?」というものも多いです。

どうやら、オチがあるらしく、語学が堪能な方がスペインで聴いたファンダンゴのステージで、観客は大爆笑。でも意味がわからなかったと言っていました。

さて、ファンダンゴ デ ウェルバ。

踊りでは、1番から4番、続けてアリマテで終わります。

1番から4番の歌は、セビジャーナスと違って、1歌完結なので、ひとつづつ、別の歌を4つ歌います。そして最後にアリマテ。

このアリマテ、結構歌詞が簡単できれいなのです。

arrímate ay gitana mía

que yo no puedo vivir sin ti

vivir sin ti , yo no puedo más

ay gitana mía me va a amatar

来ておくれ、ぼくのヒターナ。

君なしでは生きていけない。

これ以上、生きてはいけない。君がいなければ。

愛しのヒターナ。君は僕を殺すつもりなのかい。

歌詞は意外と、切羽詰まってます。踊りでは優雅に踊りますけどね。

カンテソロだと、締め歌にほとんどこの歌は歌いません。

代わりに歌われるのは、fandango de Alosno ウェルバ県のアルスノという地名のファンダンゴです。

日本では踊りにも良く使われます。私は踊りの4番をこの歌にすることが多いです。

más quiero

el fandango es mi alegría

es el cante que más quiero

me alegran las penas mías

con un fandango alosnero

al amanecer del día

ファンダンゴは私の喜び。

その歌はことさらに。

夜明けにアルスノのファンダンゴが

私の悲しみたちを喜びに換える。


ウェルバの人にとって、ファンダンゴの歌はものすごく日常で、しかもソウルソングのような、大切な歌なのだと思います。観客も歌い手もとても熱いです。そしてあまり踊られません。歌うもの、聴くものなのでしょうね。

アルヘンティーナの fandango de Huelva y Alosno

ちょっと長いですが、最後にアロスノのファンダンゴを会場と大合唱します。

こちらは、エル ペレの50歳記念のステージ コン アミーゴ。アミーゴたちがすごいです。ピティンゴ、アルカンヘル、マリア テレモト、エンカルナ アニージョ、サンドラ カラスコ。サンドラさんは妊婦さんかな。各々が歌った後の締めの歌がやはりこの、アロスノのファンダンゴ。

そして、エルペレのステージででサリーダを歌っていました、アルカンヘル。

この人の、ファンダンゴ愛は非常に深いです。ウェルバ出身ですしね。

たくさんファンダンゴを歌っている映像があります。そして最後のアロスノのファンダンゴの前に決まってこの歌を歌います。とても美しい旋律です。ものすごく芯をもった、歌い方です。

vente al alosono niña, vente temprano

te daré el aguardientillo entre mis manos

soy del alosno soy alosnero

y mi fandango más quiero….

お嬢さん、アルスノにおいで。早くおいで。

お酒をあげよう。僕がもってる。

僕はアルスノ出身。アロスネーロ。

そしてぼくのファンダンゴはね…(上のmás quiero に続きます。)

ファンダンゴはたくさんあるので、ぜひ好きな歌を見つけてくださいね。

あなたのフラメンコのある日々を応援しています。