映画「英国王のスピーチ」|言語聴覚士とバグパイプ

エリザベス女王が崩御され、イギリスでの葬儀のニュースを見ていたら

「女王のおかかえバグパイプ奏者」

という、アナウンサーの言葉に釘付けになりました。

おかかえのバグパイプ!

後に調べてみたら、毎朝女王の眠る部屋の窓の下で演奏し、その音色で目覚めていたそうで。

バグパイプの音色が好きなんです。なぜかわからないけど、どこか懐かしい感じがする。

ぴんと張った冷たい空気が届くようで。

このエリザベス女王の父上は、ジョージ6世。

幼いころから吃音で悩み、第二次世界大戦開戦間近の時代に即位された王です。

吃音(きつおん)とは、言葉の最初を繰り返す、間が伸びる、などお話のスムーズさに問題がみられる症状のことですが

ジョージ6世が風変わりな(当時はね)スピーチセラピストの元で行う言語療法が描かれたのがこちらの映画「英国王のスピーチ」。

今も昔も王室の話題は、いろいろありそうですが

家族にしか、いや、本人にしかわからない真実。推し量れない苦悩が山ほどあるのだなと思います。苦悩と決断。決意と行動。

さて、私は言語聴覚士なのですがこの呼び方は、国家資格になったときに定められました。

英語表記では、Speach-Launguege-Hearing Therapist となります。

海外ではSpeach-Launguege Pathologist ちなみにスペイン語では Logopeda どちらも言語療法士という意味だと思う。

日本では Hearing 聴覚が入っています。難聴の方の補聴器使用、または難聴児の言語発達等も専門とするからです。

そんなわけで、こちらの映画でも、言語療法をするライオネルのことを「言語聴覚士」と書かれています。

この、ライオネル。彼の治療方法は(たぶん治療とは言っていない)当時は異端でありますが、現在の、人と関わるあらゆる療法の、そして良好な人間関係の基本ではないかなと思う。

共感があっての、真の思いやり。

出演の俳優陣もとっても豪華。映画!って感じです。

ジョージ6世が、夜に二人の娘に話すお話がとてもいい。

こんなお話。

むかしむかし、ふたりの王女がいました。エリザベスとマーガレット。

二人のパパは、ペンギン。悪い魔女にペンギンにされてしまったのです。

パパは困りました。ペンギンのニシンのような小さな翼では二人を抱きしめられないから。

そしてなんと、魔女はパパを南極に送ってしまったのです。

パパは一生懸命なんとか、お城にたどり着きました。

ママはペンギンをきれいに洗い、魚を食べさせ、キスをしました。

そうしたら。。。。。

王子様に、ではなくアホウドリに変身。

二人の王女様を大きな翼で抱きしめましたとさ。

さてさて、おかかえバグパイプ。

女王の葬儀のエンディング。本当に心に染みる演奏でした。

どうぞ安らかに。