A Case of You |ジョニ・ミッチェルの詩の世界

A Case of You

ジョニ・ミッチェルの名曲です。

いい曲は、いろんなカバーでも楽しめますが

その曲への想いを感じらるものが多いですね。

アカペラバージョン。

ジャズピアノのハービー・ハンコック

そうやって虜にするのは、やはり彼女のメロディと詩の世界。

日常の些細な出来事からの気づきが、美しい世界へと紡がれていきます。

それは、紛れもなく彼女個人の物語なのに、

聴いている人は自分のことのように感じるのです。

そのバーにいなくても、カナダを知らなくても、絵が描けなくても。

歌を聴いている間はその物語の中にちゃんといさせてくれる。

私なりの意訳です。(一部)


あなたは言っていたわね。私たちが終わる少し前に。

「僕の気持ちは、北極星のように揺らがない。」

私は言ったわ。

「暗闇で揺るがないものなんて何があるの?会いたいなら来て。わたしはあのバーにいるから。」

バーのテレビの明かりで

イラストの描かれたコースターの裏に描いたのよ。

カナダの地図とあなたの似顔絵。

あなたの顔を二度も描いたの。

あなたは聖なるワインのように私の中に流れている。

それはとても苦くて、とても甘い。

1ケースだって飲めるはずよ。

それでもきっと酔ったりしない。

わたしは自分の足でしっかり立てるはず。

彼女が言ったわ。

あなたをよく知っている人。あなたのすべてを知っている風だった。

「彼のところに行って、一緒にいればいいわ。あなたにできるならね。

でも傷つくことを覚悟しないとよ。」

あなたは私に流れる聖なるワイン。

とても苦くて、とっても甘い。

1ケース飲んだって、きっと酔ったりしない。

わたしは自分の足で立てるはず。

私の足でちゃんと立ってみせる。


恋が終わってしまった物語です。

自分の足で立つというのは、酔ってふらふらしないということですが

どういう結果だろうと、何が起ころうと、わたしは私の足でちゃんと立つ。

その気持ちが強がりでもあり、本当でもあり、女心であり、ジョニ・ミッチェルなのだなと思う。

長く闘病している彼女。

昨年ステージに出演してこの歌も歌っています。

I would still be on

My feet

とても胸に響く。

あなたもあなたの足で、ちゃんと立てるわよ。と言われているようです。

あなたの心にも届きますように。