以前、スペインの歌い手モイ・デ・モロンとギターリストのパコ・イグレイシアス両先生に、
「古い歌を聴きなさい。特に古いタラントを。」
と言われたことがあります。
タラント taranto
タラントは、アルメリア県の鉱山の歌と言われています。
タランタ(タラントはタランタの一つ)、ミネーラ、レバンテ、カルタヘネーラ などなど。
タラントグループの説明はまだできんなあ。と思いながら、書いています。
悲しみや苦しみが際立って深いのが、このタラント(その仲間も)だと思います。
おそらく、炭鉱で働かざるを得なかったヒターノたちが
暗く、厳しく、危険を伴う炭鉱で掘っている。今日も、明日も、たぶんその先も。
事故も多かったのでしょう。大切な人を亡くした歌も多いです。
そして、体調が良くないときは歌えない。(歌うけど)
一番きつい歌かも知れません。
踊りと合わせる時は、コンテスタシオンと呼ばれる、合いの手のようなものが入ります。
これが、なかなか難しい。
コンテスタシオン contestación
返事、や レスポンス という意味です。
踊り手さんが、「タラントがすきー」というのを聞くと、おおおー!と思います。
きっとこの人、歌、すきだな。と思う。
タラント系は、ほかの曲種のように、決まったコンパスがありません。(なくはない。)2拍子だけど、ブレリアのように12拍で1コンパスでもないし、ティエントのように8拍で1コンパスでもない。
2拍子をまるでツルハシで掘るかのように、ゆっくり、重く、続けていきます。
歌の長さもそれぞれですが歌が落ちるところで、踊りが入ります。その長さもそれぞれで、
多くて3つ入るところがありますが、それもあるか、ないか、
踊りによります。歌の後半のAy…..の長さも同様です。
この踊りの部分がコンテスタシオンです。
踊り手は「ここ!」というタイミングを聴き取って、動き始めないといけないし、
歌い手も「ここ!」というタイミングを見て歌い始めないといけない。
どの曲種よりも、緊張感、そして信頼感が必要だと思います。
コンテスタシオンの次の歌の入りは、一拍待ってからでも大丈夫です。(踊り手さんが聴いて待ってくれるはず)
でも、例えば数人のクラスで踊る伴奏なら、同じ歌、長さ、タイミングで歌ったほうが良いかも知れません。群舞のタラントはとっても難しいと思う。
踊りの構成は、後半がタンゴになります。
使われるのがタンゴ・デ・グラナダです。でも高さが大丈夫なら、ほかのタンゴでも大丈夫。
さて。私のタラント知識はこれから増やすとして、
動画でご紹介。
まずは、1歌がコンテスタシオンがなく、ファルセータ、エスコビージャ、2歌に2つコンテスタシオンがあります。たぶん、2歌のふたつめのコンテスタシオンの後の歌が遅れてしまったので、踊り手さんは待ってます。
アレグリアスなどと比べて、次の工程に入るときの合図を踊り手さんは意志を持ってする必要がありそうですね。タンゴにはいるところとか。
ともかく、タラントは、意志を持って歌う、踊る
そんな印象です。
悲しみの深さは、こういった意志の強さも反映するんじゃないかな。
悲しくても、辛くても、生きていく。
そういう意志の強さを感じます。
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タラントも予定しおりますよ!
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