引っ越した街の図書館に、先日初めて行ってきました。
今は、感染症対策として一人30冊、3週間借りられます。(聞き間違いかと思った。30冊!)
そこで見つけた、フラメンコ教本のCD。
「Método de cante y ritmo flamenco」(カンテ法とフラメンコ・リズム)」
マドリードのフラメンコ・コンセルバトリオ(フラメンコ協会)のひとつである ”casa patas”で教授活動をしてきたCurro Cuetoによるものです。
図解とCDでフラメンコの曲種ごとのリズムが詳しく記載されています。また、各種の歌も載っています。
日本では、フラメンコの独特なリズムの数え方として
12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
と数えますが、スペインでは(私が知っているかぎりでは)11 12 は言いません。1 2 を繰り返します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2
教本にはこのように載っていました。
さて。この教本にはシギリージャも載っていますがこちらは
8 9 10 1 2 1 2 3 4 5 6 7
と載っていました。(太字はアクセント)
seguirilla /seguiriya シギリージャ
重いし、厚いし、歌うのにも体力がいりますが大好きです。
この曲種は、ほかのものと比べて踊りと合わせて歌の長さを変えることができます。
そして長くするよりも、短くするほうが結構大変です。
それにも(私には)限界があるので、最長の歌と、最短の歌は持っていたほうがいい。
と思いながら、なかなか最短のものが見つけられていなかったのですが
なんと。このCDに丁寧に短い歌がカラオケ付きでありました。
シギリージャは、上の句と下の句があります。踊りのレマーテが入るのがその間です。
ですので、1歌は上の句、下の句で一つ。
CDにあった短い歌は、上と下が4コンパスずつ。全部で8コンパスです。
長くするときは、頭にAy….とつけたり、語を繰り返したりします。
この、Ay や、語の繰り返し。歌に至っては、上の句、下の句はほぼ同じメロディーなので省けなくもないように思われますが、これは、歌う人にとっては(聴く人にとっても)とっても大事だったりします。
ですので、歌うときは、短くなっても、伝いたいことを伝えられるような歌い方を持っていないとなのかも知れません。
踊るときはは、ちゃんと聴きたいですね。
なかなか難しいけど、お互いのアンテナがつながった時に、より良いものが産まれるのだと思います。
さてさて。シギリージャ。
下の映像は、歌が2つです。特にふたつ目の歌(女性が歌っている)は繰り返えされているのがよくわかります。
そして、冒頭のAy!も、語の繰り返しも全てが大事だということが観てわかると思います。
いろいろ書きましたが、踊りと合わせて、一番いい長さで、一番いい歌を歌えることが私の目標です。
そんなわけで、図書館で借りることができたことに感謝しつつ、覚えよう。
学べることは幸せですね。
あなたのフラメンコのある毎日をこころから応援しています。
追加です。
上の映像と同じMarina Pereaの踊るタブラオでのシギリージャ。
構成は同じです。(予選と本選)
同じですが、歌う人も歌も異なるのでこちらもぜひご覧ください。
1歌はよく歌われます。
いつも君が部屋の隅で泣いているの見つけてた。(上の句)
もしも、私のせいなら、私に自由などもうありやしない。(下の句)
体全部で歌を、ギターを、聴いているようだねぇ。