フラメンコのステージで、最後にルンバを歌うことがよくあります。
ルンバは4拍子なので聴きやすいし、テンポも速くすると盛り上がります。
ルンバとは曲種のことで、このリズムが変わればタンゴにもブレリアにもなりますし、
演奏によって、曲の雰囲気もがらりと変わります。
今回は、ルンバで歌われることが多い ラ タララ のいろんな演奏です。
ラ タララ la Tarara
Ay Tarara si,ay Tarara no
ay Tarara niña de mi corazón
まずはカマロンのルンバ。
タララは、女の子の名前です。
ちょっとおかしな女の子。
緑色のドレスにフリルや鈴をつけて腰をふってたぶん踊ってる。
この歌はガルシア・ロルカとセットのようになっているけれど、もともとはロルカのものではありません。
19世紀にスペインの北部、ソリア県地方でユダヤの子供たちが歌いながら踊っていた
遊び歌のようなもの。
子供たちが手をつないで輪になって回りながら踊るのだそうです。
むすめで言うところの何かな、と考えましたが「アンパンマン体操」しか思い浮かばす。
ちょっと(だいぶ)ちがうな。
ロルカは、そういった民謡などを集めて、歌詞と、メロディーを整えました。(譜面にも残し、録音もした)
その歌が、広まり、もちろん子供たちが踊るあそび歌としても、音楽的にも、さまざまな演奏がされてきたのだと思います。
歌詞の意味はあまり深くありません。
ロルカのオリジナルの詩とは異なり、たぶん、単語の意味はそのままとらえてもいいのだと思います。
ただ、「子供時代への憧憬」だったり、「自由のない社会情勢」だったり(スペインの内戦など)、いろんな背景によって、シンプルな歌なのに感情を揺さぶるような、ふり幅が大きいのかも知れません。
ピアノとギター。哀愁たっぷり。
アラブの風を感じる演奏。(モロッコの音楽とフラメンコ)
もともとの、ジプシーの音楽(踊りも)はこちらの色が濃かったのではないかとも思います。
そして、さまざまリズムで演奏される la Tarara。 バイオリン、ギター、パーカッションそして歌。
ボサノバ風からブレリアになるところで泣いちゃった。
やっぱり生でステージを感じたいな。
同じ曲でも、違って聴こえる。いろんな感動がある。浮かび上がる景色、思い起す記憶。
そんな感動を感じ取れる人であり続けたいなと思います。
届けられる人になれたらもっといいなあ。
あなたの豊かな感動を、心から応援しています。