カラコレス caracoles カタツムリ。
スペインの初夏、食用のカタツムリが市場に並ぶそうです。私のスペイン語の先生はセビージャ出身で、茹でたのが一番おいしいって言っていました。
明るく軽快なこの曲は、発表会ではよく出る演目ですが、タブラオなどではあまり見かけません。
おそらく長さの所以だと思います。
たぶん、カラコレスの歌の種類は多くありません。
ですが一節の長さがわりと自由に伸ばすことができるので歌い手によって、または踊りによって全体の長さが変わってきます。ロメーラもそうです。なので即興的なものは難しい。
うたの構成は
1歌 2歌 はけ(caracoles…)
2歌は1歌に比べて短いことが多いようです。よく歌われるのは冬の焼き栗売りの話。歌詞の内容はまた次回に。
今回は1歌の長さについて書いていきます。
歌い手は、自分の歌いやすい長さのコンパスを下記の—–で分けて、各パートごとに数えておくといいと思います。
踊りでは、各パートごとに長さの調節を伝えるとスムーズだと思います。
1コンパス長くとか、短くとか。
¡Cómo reluce!
¡Cómo reluce!
¡Cómo reluce!
————–
Ay la gran calle de Alcalá
¡Cómo reluce!
¡Cómo reluce!
————–
Ay Cuando suben y bajan
los Andaluces
Vámonos,Vámonos
————–
Al café de la Unión
Donde paran Curro Cúchares El Tato Y Juan León
————–
Ay Eres bonita,tú eres bonita
eres conocimiento la pasión no quita te quiero yo
(—————)
Ay te quiero yo
más que a la mare que me parió
( )のところは分けなくてもいいかもしれません。
ちょっと細かく分けましたが、まずはこのパートごとにコンパスを数えます。もう一つよく歌われるManuela Reyesも同じようにあてはめられます。
パートの中でもレマーテが入ることもあります。踊り手さんは、このレマーテをはっきり伝えると(踊りで)歌い手は助かります。アレグリアスなどと比べてわかりにくいことがあるので。
歌の長さの調節ですが、ギターさんが補ってくるので歌が早く終わってしまっても待っていれば大丈夫です。次の歌いだしを気を付けて、ここは互いにコンタクト取りながらできれば問題ありません。
案外と難しいのは歌を短くすることです。方法のひとつとしては、伸ばして歌うところをメディオ(半コンパス)にして次を詰めて歌い、次のコンパスで終わりをメディオ短くすると1コンパス短くなります。数でいうと、12から始まるところを前のコンパスの6から始めるのです。
はけで歌う Ay caracoles もしかり。
先日久しぶりに踊り伴唱で歌ったカラコレスでは、はけの歌が10からでした。わたしは次の1の裏からが歌いなれていて、とっさに対応できず間が空いてしまった。ディレクト感が出せず、残念。
ひとつひとつ、経験です。臨機応変力に近道はなし。
いろいろと書きましたが、フラメンコは三位一体ですからお互いに五感を研ぎ澄ませて歌い、奏でて、踊れば、打ち合わせなんて必要ないのかも知れませんね。
こちら、私の大好きなコンチャ・ハレーニョのカラコレス。歌を聴いて踊っているのがとてもよく分かります。
かなりすっとばして説明しているので、ご質問がありましたらメニューにあります「お問い合わせ」からご連絡ください。可能な限りお答えします。
カラコレス。チャーミングで大好きです。ぜひ歌ってみてくださいね。
あなたのフラメンコのある日常を応援しています。
“カラコレス|踊り伴唱の長さ” への1件の返信
コメントは受け付けていません。