エスコビージャ|踊ってみて気づいたこと

下北沢駅からにぎやかな通りを抜けて、ハクーロというスタジオに、時々歌いに行きます。

普段はギター教室のバイレ、カンテ伴奏クラスのカンテ担当ですが、先日は

「踊りもやってるなら、たまには踊りで」

と、バイレ担当をしてきました。

下北沢駅の変貌ぶりにはいつ来ても驚きです。しかも変わりながらも営業(?)し続ける。日本の技術って、すごいね。

さて。踊り。

ありがたいことに、ギターの先生が「練習したいのでいいよ」と言ってくださったので

出来上がりはともかく、ブレリア、シギリージャ、カラコレス、ファンダンゴをお願いしました。

バイレの技術的なことは、まだわからないのですが、せっかくなので踊ってみて気づいたことを書きたいと思います。

エスコビージャについて、いくつか。

escobilla  エスコビージャ

踊り手の足の見せ場です。そして、ギターとパルマ、足音のあわせどころ。

それまで線だったものが、立体になるような、そんな箇所です。

シギリージャのエスコビージャのギターで、3種類のメロディーを弾いてもらいました。(ギター教室ですので)

➀いわゆるシギリージャのエスコビージャというメロディー➁シギリージャのメロディー(振ってください、のときの)➂➀をより洒落た感じにしたメロディー。

わたしは、ずっと➀のメロディーで合わせてきたので(頭の中で)、➁、➂になると、途端に身構えてしまいました。

こんな時に指標となるのが、やっぱりコンパスです。リズムを数える、またはアクセントを意識する。

そして支えてくれるのが、パルマの音。

そして、➂の洒落たメロディーでは、足の種類を少なくシンプルに、かつテンポを落としたほうがいいな、と感じました。そのほうが、素敵になる、と。

もちろん、普段の伴奏では、踊りに合わせて、踊り手の好みで内容が決まります。

でも、ギターのメロディーに合うようなエスコビージャにするというのも、いいなと思いました。共同創造をするように。

それから。

カラコレスのエスコビージャで、ブレリアのリズムに変わり、ジャマーダしてはけ歌を呼ぶときの、この、ジャマーダ前のブレリアのところのメロディー。

ここは、「次に大きくかわりますよ」、という予告のようなところ。そして次がジャマーダで分かりやすく変わります。なので、ギターのメロディーはカラコレスのエスコビージャのままがいいかもね、とのお話がありました。(リズムだけブレリアにするということなのかな)

たったの、2コンパスの話です。

でも、ガラッとかわるか、徐々にかわるか、その見どころの置きどころが違ってくる。

私はそこまで気にしたことがありませんでした。

ギターさんって、すごいな。

歌っていて、たとえばアレグリアスが終わった後のソレア。

まだ、アレグリアスの余韻が残る空間で、ギターのソレアのサリーダのメロディーでがらりと気持ちをソレアに持っていってくれる。ソレアの世界を作ってくれる。そこから気持ちを落ち着けて歌いだせる。その瞬間がたまらなく好きです。

話は戻って。

歌の伴奏は、パルマの伴奏もするわけです。エスコビージャのところは歌ってないし。

わたしは、このパルマが一番難しい。

これだけは、一人で学ぶのは難しいので、踊りの方と練習できるといいですね。

よく、「歌うのと、踊るの、どっちが好き?」と聞かれますが、

断然、踊るほうが楽しいです。

子供ができてからしばらく踊らずにいて、もう踊ることはないかもと思っていましたが、歌も踊りも学ぶことは、どちらにとってもよかったなと思います。

踊る楽しさがわかる分、楽しんでもらえるように歌やパルマで踊り手さんを支えたいですし、歌やギターと一体感が持てるように踊りたいとも思います。

ギターさんが、何気なくしてくれている気遣いにも気づけるようになりたいな。

フラメンコは一人では成り立ちません。

お互いの魅力、能力、技術を惜しみなく出し合えるためには、信頼し合うことが大切なのかも知れません。

信じてもらうために、何をすべきか。

やること、たくさん!

あなたに信じてもらえるように、がんばります。


photo 梅ちゃん

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