マチネの終わりに|過去と未来と今と

「マチネの終わりに」

ずっと読みたいなと思っていたのですが、読む前にストーリーを知ってしまったこともあって、手に取らずにいた本です。

先日、娘と行った映画館(観たのはプリキュアでした。)でみかけたポスターが素敵で。

たぶん観に行けないだろうし。(映画館は娘主導)

わりと、本は一気に読むほうなのですが、これは少しづつ、そして戻って読み返したりしたので、時間がかかりました。

ここでは内容は書きませんが、シンクロするところがあったのでそれを書こうかと思います。

この本のテーマというか、とても大事なフレーズ。

「未来は過去を変える」

いい思い出も、嫌な思い出も、未来によって変えてしまうくらい、過去は繊細で、感じやすいもの。

ここからは私の、考えです。

人生は過去→現在→未来へと、まるで歴史の年表のように横に長くつながっているように思われますが、実は過去も現在も未来もだだ一つの点なのではないかな。

今いる私は、年表の中の「今」にいる私ではなくて、過去も未来もまとめたただ、ひとつの点にいる。

今あなたに会っている私は、過去の私でもあり、未来の私でもある、今のわたし。

けれども、一方で。

私の中の唯一不変的なことは、自分の過去とも思うのです。

それは、「経験」と言い換えられるような。学んだことがあるから、今があり、未来がある。それは、変化せずにあってほしい。

そして「未来」は「今」だとも思うのです。

結構わたし、面倒くさがり屋なので、ここまでくると

「もう、全部ひとつの点」としたくなったというのも正直なところ。

つい先日、ここ2、3年分の日記を処分しました。

過去にサヨナラ、というわけではなくて、もう充分だなと感じたからです。

「それまでの学びは、ここにある。これは変わらない。それ以外のものは、変わってもいい。」

という感じかな。

過去にとらわれていたり、未来を心配しすぎていると、どうしてもそこに執着してしまい、「今」がなかなか見られない。でも、そこは点ですから、あるのは、やはり「今」なのです。

そして。

その、ひとつの点である「わたし」と出会ってほしいなと思うのです。

本当の意味で、人と出会いたい。

この本を読んで、今、私が思うことです。

この小説の中で、主人公の二人にとってとても大事なシーン(冒頭のフレーズ)が壁にパコ・デ・ルシアのサインが書かれたフラメンコの音楽がかかるスペインレストランで、

というのも、シンクロだなと、思っています。

偶然は、すでに知っている奇跡。

ひとつの点であるあなたの「今」がたくさんの出会いを結びますように。