martinete y toná マルティネーテとトナ
昨年のフラメンコ納めは、マルティネーテの踊りでした。
観に来てくれていたカンタオーラと、マルティネーテとその他のトナについてお話する機会があり、年明けはこの課題にしようと思っていたものの筆が進まず、人生初のインフルエンザ。やっとこ人並みに生活できるようになり、今は「健康って素晴らしい!」と思いながら書いています。
さて、以前の記事でも書きましたマルティネーテ。これは、トナのグループに属します。
トナは、無伴奏でリズムのない歌のことを言い、その起源は古く、a palo seco パロセコなどとも呼ばれます。トナの種類は、マルティネーテ、デブラ、カルセレラ、そしてそれ以外のトナの3、4種類くらいに分けられるそうです(読むものによって違ったのでこんな言い方になりました)。たぶん、今残っているもので分類できるものがこの種類なんだと思います。その中でも、マルティネーテはシギリージャのリズムでも歌えることから、踊りのために歌われることもポピュラーとなった。ですので、現在では歌うほうも踊るほうも違和感なく、あのシギリージャのリズムで表現することは可能です。
ただ、最近みるシギリージャの構成で、エスコビージャのあとマルティーネーテがあり、マチョで上げてから再度リブレのマルティネーテでひと踊りしてはけるタイプなどでは、後半のリブレは、マルティネーテでないトナを歌われることもよくあります。よりドラマチックになる感じ。これはデブラと呼ばれるメロディーがとっても合います。
マルティネーテは、リズムがはまるので、シギリージャの歌ぶりのような振りやタラントのコンテスタシオンのような足が入るのなら、断然マルティネーテの歌が合います。ほかのトナはシギリージャのリズムで歌えないこともないけれど、やはり元来のリブレが納まりどころがいい。
マルティネーテとデブラ、そしてトナ(それ以外の)
最初のen el barrio de Triana がデブラ 次のVen acá がマルティネーテ、最後のHasta el olivarito がその他のトナ。(だと思う。)
cante Tomás Pavón
デブラ la Debla は、カロ(ジプシーのことば)で女神のことです。でも歌のデブラとは関係ないみたい。
この歌い方をトマス・パボンが残したと言われているそうで、今でもこのまま歌われます。
そしてその名も、la Deblaが踊る、トナとシギリージャ。このトナは、デブラでもマルティネーテでもないと思う。チェロもリズムも、そしてスカートも効果的に使われていて曲の理解が感じられます。
baile la Debla
伴奏していて、デブラで歌って、なんて言われた事ないし、言ったこともないですけど、もしも踊りのイメージがあるのならなんでも言ってみるといいと思います。お互いに同じ知識をもっていなかったとしても、なんとかしてみたいのが後ろで支えている奏者の役目ですから。同じ線上、目指すものはより良いものがいい。
わたし個人としては、もっとリブレの歌を増やそう。今年の課題です。いつかあなたのイメージに寄り添えるように。
もうひとつ。
ファン(ファニート)・バルデラマのマルティネーテとデブラ。デブラの前にトマス・パボンの名前を言います。そして、上の動画にあるうたを歌います。
バルデラマは、帽子がトレードマークのカンタオール。フォークシンガーみたいな人で茶目っ気たっぷりです。でもこの人の歌、深く、深く、染みるのです。
cante Juan Valderrama
あなたのフラメンコのある日々を応援しています。