使命と生きがいのバランス

フラメンコを長年続けてきた方に

「フラメンコは趣味です。」

と、心から言える人は少ないのではないでしょうか。

かといって、フラメンコは仕事でないし、そうはいっても、「趣味」とくくられるには違和感がある。

それは、フラメンコをすることに(学ぶこと、練習、ステージに出ることも含めて)お金と時間がかかることも一つの(大きな)要因だと思います。

今までかけてきた労力を考えると、「趣味」って言えるのかしらと考えたり。

私の周りでは、「生きがい」と応える方が多いです。

困難な状況にあるとき、この「生きがい」が支えとなると言われています。

これがあるから生きていける。がんばれる。


私は誰にでも、その人それぞれの人生の仕事があると思っていて、最近まではその「人生の仕事」は、ひとりに一つだけだと思っていました。

でも。

もしかしたら、何個もあってもいいんじゃないかなと思うのです。むしろ、その方がその人らしさ、そのひとの人生、幸せが豊かになるのではないかな。

「使命」と呼ばれるものがあります。この世に生まれてきた目的。今生きている理由。

これは、「生きがい」とはまた、違う。(同じ人もいるのだと思う)

何かを表現する、伝える、何かを受け継ぎ、引き継ぐ、広める、救う、などのミッション。

または、育てる、整える、サポートするなどのお役目。

まさに「人生の仕事」。

では、「生きがい」は?

これも、「人生の仕事」なのではないでしょうかね。

「使命」と「生きがい」。どちらかに偏りすぎると、どうしてもしんどくなる気がします。

フラメンコが「使命」とすることを想像しても、それは楽しさだけでは到底なく、苦難があることは容易に考えられます。

ファミリアを引き継ぐとか。(ファルキートをみるといつも思う。)

嫌な思いをしてでも、フラメンコを習うために仕事をしているという話もよく聞きます。

もちろん、それが仕事のモチベーションになるのならばいいのかも知れません。

でも、これには相当にフラメンコへのモチベーションを保てていないと、きつくなる気がします。何のために踊ったり、歌ったりしているのか、自問自答。すっきりしない。

でもね。

あなたの全部が大切なのです。あなたの一分、一秒、生きている時間すべてが愛すべき時間。

なので、「生きがい」+「使命」=「人生の仕事」とするのはどうだろう。

そして、生きがいを複数持つのはどうだろう。(使命が複数あってもきっといい)

例えば、家族の成長。家庭菜園。旅行やペット。

全てを同じように大切にしてもいいのだと思います。そして、全てに全力を尽くせる能力を誰でも持っているように思います。

私が日々、気を付けていること。

それは、執着すること。

何か、または誰かに執着してしまうと、全てに全力尽くせる能力が隠れてしまいそうだから。

だから、例え生きがいだと思っていることでも、「趣味」と言ってみるのもいいのかも。好きだからしている。ただ、それが好きなだけ。

さて。

自分の「使命」を知るのには、丁寧にこころを内観することが必要かも知れません。

そして、ひと通り内観したあと、たくさんの出会いと気づきから、見つかることが多いように思います。

わたしもこの数年、自分の「使命」はなんだろうと考え続けてきました。

そしてようやく、出会いと出会いがつながって、ちょっとずつ見えてきたかな。(フラメンコではないのです。)

油断をすると、その「使命」に執着してしまうので、私のすべての「生きがい」にも全力を尽くしていこうと思います。(こちらがフラメンコ。そしてその他いろいろ。)

不思議と、使命と生きがいのバランスが取れると、金銭的な安定も受け取ることができるように思います。それはさらさらと流れるような、滞りのないような、自然な形で。

そして、とっても大切なのは、愉快さ。ユーモア。こころの軽さ。

たくさん笑ってくださいね。

あなたの「使命」と「生きがい」、そして「人生の仕事」を、こころから応援しています。