手を合わせて想いを伝えることが

東日本大震災から14年。

テレビで、「風の電話」と呼ばれるつながらない電話ボックスで

会うことのできない大切な人に思いを伝える方々を観ながら思い出したとこがありました。

老人施設で言語療法をしていた時のことです。

ご夫婦で入居されていたご主人がなくなり

奥さんが不穏な状態となっていました。

「うちのじいさんはどこにいったんだろう」と歩き回っているのです。

この方は認知症でもありました。

私は、お部屋に一緒に行き、二人でベットに腰かけて

ゆっくりとお話を聞きました。

伴侶は先日亡くなった。それはわかってる。

でも、どこにいったんだろう。

このご夫婦はわけあって、入籍はしていませんでしたので

奥さんは葬儀や法要には行けませんでした。

亡くなった人はどこに行くんだろうね。

そう思いながら

私はひとつ提案をしたのです。

ご主人を想って、手を合わせませんか。

私たちは、お二人が映る写真立てに向かって

手を合わせました。

しばらくすると、その方はこう言いました。

「そうか、じいさんは亡くなったんだ」

手を合わせ、祈ることと

つながらない電話で話すことが

どこか似ているような気がして。

思い出したのかもしれません。

たとえ同じ世界にいなくても

想いを伝えることができる。

想いを、

自分の心の奥深くから

取り出すことができる。

そうやって、生きていくことが

少しでもあなたの心を軽くすることができたら。

そう、祈る15年目です。

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