ジプシー・ヒターノ・ロマ|ここではないどこか

先日、カンテレッスンをしてきました。

2回目の彼女は、フラメンコは習っておらず

私の歌を聞いて、歌ってみたいと思ってくれたそうです。

冗談半分で、転勤族のご家庭でしたか?と聞いたら

やっぱりそうだった。

流浪の民、ジプシー。

北インドから来ていると言われている彼らは、方々へ移動していきました。

ルーマニアをはじめフランス、イタリア、スペイン、ロシア、デンマークなどの各国にわたるといいます。

「ジプシー」というのは現在では差別用語とされていて

「ロマ族」と呼ぶ傾向にあります。

わたしがフラメンコの歴史ついて話すときも気を付けますが

よりイメージできるように「ジプシー」ということばは必要で

のちに、スペイン語の「ヒターノ」に置き換えます。

けれどジプシーが(ヒターノも)差別用語であることに、少し疑問がありました。

私の知っているヒターノたちは

みんな自分がジプシーであることを誇りに思っているからです。

昨年、偶然にジプシーの研究をしていたという方にお会いすることができたので

このことを聞いてみたら

使う人の心次第かな、とのお返事でした。

彼らへの差別や迫害は悲しくも、今でも存在しますし

特にヨーロッパでは、すりなどの犯罪から彼らとの共存に大きな問題を抱えています。

私が会ったヒターノたちは

フラメンコを仕事とし、日本にも来られるようなごくごくわずかなひとたち。

フラメンコはヒターノの生活の一部ですが、

それが仕事になるかは、また別です。

研究をしていた方との話で

ヒターノだからといって

歌や踊りが上手なわけではなく、

彼らがフラメンコを作ったのでもなく、

アンダルシア文化の歴史の流れでできたフラメンコの種のようなものを

一部のヒターノたちの能力で昇華した。

そんなイメージを持ちました。

そして、なぜジプシーの研究をしようとしたのかと聞いたら

お父さんが転勤族で引っ越しが多かったからかも知れない、とのこと。

なぜかジプシーに強く惹かれたのだそうです。

フラメンコが好きな方にも、多いのかも知れないね。

私は、転勤族ではなかったけれど

いつもここではないような気がしてしまう。

居心地がよいのにもかかわらず

ここではない、どこかを探さないといけないような

ここに馴染みすぎてはいけないような

そんな気がしてしまう。

さておき、

この映画が好きなのも、そんな理由なのかな。

「ショコラ」ジョニー・デップがジプシーの青年という役どころ。

フラメンコはよくわからないけど歌ってみたいという方もお気軽にお声掛けください。

楽しく歌うレッスンです。

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