先日のバルガス親子のクルシージョが行われた都内のスタジオに向かう途中、
区の掲示板に、偶然に発見。
こちら、フラメンコの歴史でダビ・ラゴスがお話ししていた、「スペインのユダヤ人」を意味する「セファルディ」。
おお。
偶然はすでに知っている奇跡。何かしらの意味があるのかな?
次の日、クルシージョの前に展示会を見てきましたが、うーん。いまひとつ。
しばらく考えていましたが、
そういえば。
セビジャーナスの歌を新調しようとしていて、いろいろと探していたのですが
これもご縁かなと、この歌にしてみました。
sevillanas bíblicas 旧約聖書のセビジャーナス
フラメンコのCD「バイレフラメンコ」や、カルロス・サウラの映画「セビジャーナス」でパコ・トロンホが歌っているのでご存知の方も多いかと思いますが
歌詞の内容が、難解で。(のように思えて)どうしようかなと思っていた歌でした。
旧約聖書はキリスト教、ユダヤ教ともに正典とされているものだそうで、なんとか、外側の意味がわかったところです。(たぶんもっと深い意味があるんだと思う。)
本当は何番もある長い歌のようで、登場人物もいろいろいますが
わかる範囲で。わたしなりの意訳です。
まずは、ダビンチ作の石像で有名なでダビデ王とその息子、アブサロム。
Que tuvo Absalón
por la mucha soberbias
de la rama de un árbol colgado quedó
Le sucedió así le sucedió así
por haber destronado a su padre David
アブサロムはとっても傲慢。木の枝に吊るされたままにされても。
そんなこと起こしたのは、彼の父、ダビデの王座を奪うため。
もうひとつは、オペラ作品にもある「サムソンとデリラ」の二人。
Dalila infame
Mientras Sansón dormía
Los Hilos de la fuerza supo cortarle
Sirva de aviso que sus cabello fueron su precipicio
悪女のデリラ。眠っているサムソンに嘘をつき、力のある糸(髪のこと)を切れば力がなくなると知っていた。警告して!彼の髪の威力がなくなるよ。
アブサロムはダビデ王の息子ですが、かなりな美男子そして傲慢だったらしいです。そして長い髪をしていました。ダビデに反逆しましたがもう少しのところでその自慢の髪が木の枝に引っ掛かり、王の家臣に殺されてしまします。ダビデ王は息子を愛していたので嘆き悲しみました。
サムソンは(これまた)長い髪をした強靭な男です。その長い髪には神様からの力があり、その力があるからこそ、戦いに勝つのでした。でも、恋をしたデリラにせがまれて秘密を打ち明けてしまします。彼女は敵のスパイでした。髪の毛を切られてしまい、力をなくすサムソン。(その後、復活します)
内容は結構、重めですが、歌は軽やかに歌われます。
セビジャーナスの醍醐味は、このような内容が深い、複雑なものも
軽やかになることかも知れません。
それはもしかしたら、2世代、3世代と、引き継ぐためなのかも知れないし、
遠い異国の地にも伝えようとしたからなのかも知れない。
どちらにしても、歴史があって、今があり、私を通り過ぎて次の世代があるということを
なんとなく、軽やかに、思っているところです。
そういえば。
セファルディが掲載されていた掲示板の前に神社があって、お参りしたのですが
この、太田姫稲荷神社。
「病を癒し、災いをよける神様」と書かれていました。この神社を江戸城鬼門に置くようにと白狐が託宣したという。
これもまた。思い出したのも今ならでは。
世界各国に広がる不安がどうか一日も早く終息しますように。
さて、こちら、日本のセビジャーナス。
フラメンコダンサー永田健さんの作品です。「日本に恋した、フラメンコ」
松尾芭蕉の句でもセビジャーナスが歌われています。旧約聖書よりも新しいけれども
スペインから、日本へ。そして日本を駆け巡り、また異国の地へ。
今から時を経て、世代を行けば、それもまた歴史になる。
わたしもどこかにいます。
知ろうとしてくれるいつかの、どこかの、あなたをこころから応援しています。
<お知らせ>ステージ2件のご案内です。
ご予約、お問い合わせは、当サイトの「メニュー」→「お問い合わせ」でも承ります。
お会いできるのを楽しみにしています。