新しい元号、「令和」。
少し前に、スペイン語のクラスでこの元号について話す課題がありました。「新しい元号」を訳すと la era nueva でいいそうです。直訳すると「新しい時代」
さて、先日サラ・アンダルーサでモイ・デ・モロンとパコ・イグレシアスのカンテ・ギターライブを観に行ってきました。
マラゲーニャがとてもよかった。ファルーカやカラコレスも、モイの歌声とパコの太くて深くて、でも繊細なギターが相まって、心に響きました。歌詞のひとつひとつ、場面のひとつひとつが丁寧に伝わってくるようでした。
実はこのライブが始まる前に、二人に踊り伴奏のパルマを教わっていて、そのクラスを終えてそのまま席に着きました。このパルマクラスは今回で2回目で、より実践的なものでしたが、前回はほぼ、モイとパコのパルマ、フラメンコに関する熱い想いを語る時間となって、私はあんなにもスペイン語を浴びるように話されたのが初めてだったので、いやはや、聞きる取るのに必死、そして理解が追い付かない場面も多く、クラスメイトに助けてもらいながら、なんとか多くのことを学ぶことができました。
二人が言っていたことはたくさんありますが、
フラメンコはコラソン。
これが一番だったように思います。
コラソン corazón 心
彼らは日本での演奏もたくさんしています。仕事として、フラメンコを日本でもしています。でも、彼らはスペインのフラメンコのアーティストです。
私たちがいろいろ知ろうとしていることを、二人はとても喜んでくれました。
おそらく、知らなくてはいけないとは思っていないと思います。でも、知ってくれたらいいなと、間違いなく思っているはずです。
二人のライブの最中、パコのモイへの視線をみて、
どこかで、みたような・・・と。
そうだ、この人。モライート。
ギターのいろいろはわからないのですが、このカンテや周囲に向ける視線がすごく好きです。
でも、今観たら、パコのとはちょっと違う。
パコの視線は、覗き込むでもなく、口元をみるでもなく、モライートのそれよりももっと背後からというか、その人の全体の空気をも見守るかのようなものなのです。
クラスで、パコが自分はサッカーのディフェンダーだと言っていました。
歌や踊りがどう来ても、受け止める。
踊りの伴奏で歌っているときは、踊りをできる限り支えようという気持ちでいます。
でも、歌はギターの支えなしでは歌えません。
はて。ギターさんは誰が支えるのだ?
フラメンコの踊り、歌、ギターの関係性を「三位一体」と言われますが、これじゃあ、なんとなくフェアじゃない。
では、どの関係性を「三位一体」と呼ぶのでしょう。
新しい元号「令和」
「美しい調和」という意味を持つそうですね。
Hermosa armonía
もしかしたら、美しい調和のためにお互いの魅力、能力、技術を惜しみなく出し合うことが「三位一体」なのかも知れません。
まだまだ、知らないことだらけだし、足らないことだらけの私ですが、この美しい調和を目指すという目的は、軸をぶらさずに目指していきたいなと思っています。
モイもパコも、一度スペインに帰国し、6月にまた戻ってくると言っていました。
新人公演がはじまりますしね、今に増して忙しくなるそうです。
二人のフラメンコをまた教えてね。
新しい時代にたくさんの美しい調和が響き渡りますように。
あなたのフラメンコのある日々を心から応援しています。