ハレオ あれこれ

jaleo ハレオ

フラメンコの踊り、歌、ギター。それぞれにかける掛け声をハレオと言います。

ご存知、オレー!!です。

案外と難しいこのハレオ。声掛けのタイミング、なんと言ったらいいか、などなど。

決まりはないと言われていますし、どこで掛けてもいいとありますが、でもねえ。なかなかステージに向かって声を出すのには勇気がいります。


私のスペイン語の先生がセビージャ出身で(フラメンコはしません。)

「何か、フラメンコの用語でわからないことある?」と聞いてくれたので、

そういえば、と、ハレオのことを質問しました。

よく使う、

トマ! ¡toma!

¡Toma! は、 びっくり!という意味があるそうですが、ハレオの場合はこの意味ではないそうです。

「この素晴らしい芸術を取って!」

とのこと。

飲み物などを手渡すときに、「どうぞ」みたいな感じで、toma と言います。

ハレオは、相手に向かっての言葉と、相手の気持ちを代弁するかのようなものがあります。

どちらかというと、これは後者かな。

¡Mira!(みて!)もそうですね。

もう一つ。これは始まる時によく使います。

バモノ!

わたしはずっと、vamos nos だと思っていました。レッツゴー!の意味で。

vamos は「私たち」が主語の ir(行く)。 nos は私たちに。 なんとなくおかしい。

先生曰く、ir だと、~へをしめさないといけないので、ir a~となる。

そんなわけで、正解は

¡Vámonos!

irの再帰動詞 irse の一人称複数の命令形です。

意味はやっぱりレッツゴー!

フラメンコで使われるスペイン語は、アンダルシアの発音です。アンダルース。アンダルシア弁。いろいろありますが、まず明確に「s」「d」を言わない。

なので、vámonos も バモノ です。

これは、歌詞でもそうですが、この「s」、言っていないわけではない。ちゃんと言っているのです。

バマジャ! ¡Vamos alla! (これもレッツゴー!)

これは、バモハジャーというと、アンダルーっぽいです。言わないように聞こえる「s」は鼻にかける感じで後に続く音につなげます。

さて。

jaleo は jalear から来ています。応援するという意味です。

上記に書いた、相手に向かったハレオでは、思ったことを言ってみるといいと思います。

その人の踊り、歌声、演奏だけでなく、人柄や衣装、目線とか、取り巻く空気とか。

エレガントだなあと思えば ¡elegante!

美しいなあと思えば ¡hermosa! ¡que bonita!

いいアイレがあるわーと思えば ¡ole aire!

頑張れーと思えば ¡arriba!

などなど。

曲によるのもあります。

グアヒーラで、私が良く使うのは

¡ole guajirita!(素敵なグアヒーラお嬢さん)

¡azúcar! (アスーカル あまーい)

アレグリアスでは

¡Viva Cádiz! (カディス万歳!)

などなど。

そして、わたしが好きなのが

¡Que sabe!

これは、la persona que sabe Flamenco

(フラメンコを知っている人だわ!)

かけるタイミングは、思ったときでいいのですが、ステージをみたり、CDを聴いたりしてどんなところでハレオがあるのかを聴いてみるのもいいかも知れませんね。

でも心の底から思ったとき、それは感動しているわけですから、間違いのタイミングなわけはありません。

踊る人だけでなく、歌にも、ギターにも、ステージ全体にもハレオをかけてみてください。

私の大好きな歌い手、マリア・バルガスとパコ・デ・ルシアのブレリアです。

いろんなハレオが聞こえます。おそらくパルマをたたきながら言ってます。

そしてこちらは、これこそjalearしているハレオ。すごいな、子供たち。

以前、カンテソロライブを観た時、アレグリアスのギターのファルセータで歌い手が

¡Viva Cádiz! と言ったら、客席から

¡Viva tu! とハレオがかかり、

歌い手が

¡Gracias!

と返しているのを聞いたことがあります。

ハレオはステージだけでなく、客席にも込められるのですね。

もちろん、あなたにも。

あなたのフラメンコのある日々に、

¡Ole!